
1. 自筆証書遺言とは
自筆証書遺言とは、遺言を作成する人が、財産目録を除く全文を自筆で書く遺言書です。法律で定められた形式を守ることで、後々のトラブルを避けることができます。
1-1. 自筆証書遺言のメリット
- 自分で気軽に作成でき、書き直しもできる:思い立ったときに、どこでも自宅で遺言書を作成できるため、非常に便利です。
- 費用がかからない:公正証書遺言とは異なり、作成にかかる費用がかからず、手軽に始められます。
- 遺言の内容を秘密にできる:自分だけで遺言書を作成するので、内容が他の人に知られることなく、遺志を伝えることができます。
1-2. 自筆証書遺言のデメリット
- 要件を満たしていないと無効になる恐れ:法律の要件を満たしていない場合、遺言書が無効になることがあります。
- 紛失や死後に発見されない恐れ:遺言書が見つからなければ、その意図が尊重されないことがあります。
- 書き換えられたり、隠されたりするリスク:他の人によって書き換えられる可能性があるため、管理が重要です。
1-3. 自筆証書遺言は法務局で保管可能
2020年7月10日から、「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。この制度を利用することで、遺言書の紛失や隠匿を防止でき、遺言書の発見を容易にすることができます。
費用は1件3900円で、法務局で保管してもらうことができます。
2. 自筆証書遺言の要件、書き方
自筆証書遺言を作成する際には、民法968条に基づいた要件を守る必要があります。以下の5点は必ず押さえておきましょう。
- 全文を自筆で書く:パソコンや代筆では無効となりますが、財産目録に限り、パソコンで作成することが許可されています。
- 署名をする:遺言者は必ず自筆で署名し、押印する必要があります。
- 作成日を明記する:日付は正確に記入し、「○月吉日」などは使用できません。
- 印鑑を押す:署名後に必ず印鑑を押す必要があります。陰影が不明瞭な場合は無効になる可能性があるので注意が必要です。
- 訂正のルールを守る:訂正する際には、二重線で消し、訂正内容を記入した上で署名押印を行う必要があります。
3.自筆証書遺言が無効になるケース
自筆証書遺言が無効となる場合には、以下のようなケースがあります。
- 署名や押印が欠けている
- 日付が不正確または未記入
- 遺言書の内容が不明瞭である
これらの問題が発生しないよう、慎重に作成することが重要です。
4. 遺言で決められること
自筆証書遺言では、以下の事項を定めることができます。
- 相続分の指定
- 遺産分割方法の指定
- 相続人以外の受遺者への遺贈
- 寄付
- 遺言執行者の指定
- 子どもの認知
- 相続人の廃除
5. 自筆証書遺言の注意点
- 複数人の共同遺言は無効:遺言書は個人ごとに作成し、共同での遺言は無効となります。
- ビデオレターや音声録音では無効:遺言は書面で作成する必要があり、ビデオや音声では無効となります。
- あいまいな表現を避ける:曖昧な表現は相続トラブルの原因となります。「取得させる」「遺贈する」など明確な言葉を使用しましょう。
- 遺留分侵害の問題:遺言で遺留分を侵害する場合、相続人から異議を唱えられることがあります。
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